作品作りはいつも墨のあそびから始まる。
点とか面とか、四角とか、円とか、、、
そこに、私の中にある"針の先ほどの感情"を表現する。
自分でひどく注意深く、集中し、まるで脳の中を遊泳しながら
その"針の先"に到達するように丹念に探り当てるように水を得た墨を置いていく。
形は単に形であり、私にとってのその意味はあまり無いと言ってもいい。
墨であること、計算できない墨の世界が、水や紙、空気、の助けを借りて
できあがります。
この作品は形こそ単純でありながら、
そういう私の世界を最も如実に現しているように思います。
すでに個人所蔵になっている作品です。