2008/05/07

9年ぶりの再会





1998年9月銀座松屋の大きな美術画廊で



個展をさせていただいた。
突然の思いがけないお話で、

それまでは、日本では書のみの個展、

海外では抽象の絵のみ、というように



自分の中で二本の道が交わらずにいた。


ところが、松屋さんの美術画廊は大変広く


時間的に点数が揃えられそうもなかった。


迷った挙句サンフランシスコのギャラリーから


作品を返してもらい、ようやく間に合わせたのだった。


自分の心はずうっと後にそれを味わうことになるのだが、


私の書と絵と二本の道が交わった瞬間だった。


この個展の搬入の時でした。


まだ数点しか飾られていないその中から


「これを下さい」とお買い上げ頂いた"作品"を忘れられなくて、


それから一年以上経ったころ、


その"作品"の6倍ほどの大きさで書いたのがこの作品#17です。


昨年埼玉県川口市が企画して好評だった


「二人のクローデル展」に招かれた私は、


会場となった旧田中家住宅のお茶室の床の間に


その"作品"が収まっているのを見ることが出来たのです。


大好きな黒田泰蔵さんの花入れと共に。


9年ぶりの再会でした。